2011年10月10日月曜日

哀愁漂う港町、Lisbon (1) (Sintraエクスカーション) (9/17 - 9/19)

金曜日の夜22時半にマドリッドを出発した夜行列車は、翌日土曜日の朝7時すぎに
リスボンのサンタ・アポローニア駅に到着した。4人部屋にはスペイン人、アメリカ人、そしてスウェーデン人がいた。
ベッドは思いの外心地よく、おまけに1人1人に歯ブラシ、おしぼり、お水が配られる、というラテン圏
らしからぬ粋なはからいにびっくり(エクスペクテーション低すぎ?)



早速ホステルにチェックイン。ロケーションといい、雰囲気といい、施設といい、スタッフといい、
文句なしにこの旅で一番のホステルだ。80年代のロックスターみたいな風貌のブラジル人達が仕切っているが
どの人もみんなとても親切で、おすすめのレストランや観光ルートを熱心に紹介してくれた。
リスボンへお出掛けの際は是非 Traveller's Houseへ。

早朝に着いたお陰でホステルが毎日企画しているシントラ(リスボン郊外)、ロカ岬行きのツアー
の当日参加が可能と聞き、それならば、ということで2日しかないリスボン滞在の初日はリスボン
ではなくシントラに行くことに決定した。出発は1時間後の9時半だったので、急いで部屋に荷物を置き、
朝ごはんを食べ、他のホステル客4人と一緒にバンに乗りこんだ。


シントラはリスボンの北西約40kmに位置する小さな街で、「シントラの文化的景観」として世界遺産にも登録されている。
周辺にはいくつもの歴史的な城塞や宮殿が点在している。
古くは8-9世紀に北アフリカのムーア人(Moorish)が砦を築き、19世紀半ばにはポルトガル王フェルナンド二世
が朽ち果てたぺーナ修道院を改修しペーナ宮殿を建設した。ペーナ宮殿は、ディズニーランドのお城のようで、
地理的・時代的に異なるあらゆる建築様式が混在した超不思議な建物だ。











ペーナ宮殿の近くにあるレガレイラ宮殿とその庭園は、シンボリズムを体現した作りになっている。
特に庭園の散歩道は至る所が隠れトンネルで繋がっていたり、隠れた洞窟や泉が点在している。
それぞれの建造物やルートには「生と死」や「光と闇」などのシンボリックな意味があるらしいが
そんなに深く考えなくても童心に戻ったように楽しめる。ガウディの有機的建築スタイルとエッシャーの
騙し絵的遊び心と、不思議の国のアリスの世界感を全部足したような摩訶不思議な空間だ。






ツアーの最後のストップは大陸欧州最西端のロカ岬。半端じゃない強風で目も開けるのがやっと、という
感じだったが、大陸欧州の東端と言ってもいいイスタンブールから約1ヵ月半ほどかけて西の端まで来たのか、
と思うと感慨深いものがあった。

また、今では日本語と化している「カステラ」、「天ぷら」などの外来語を17世紀に日本に運んできた
ポルトガルの船乗り達は、皆この広大な大西洋に向かって帆をあげたのか、と思うと数百年前と現代との
繋がりが「海」という接点を通じて感じられる。









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