2011年8月10日水曜日

何でも画になる街、Istanbul(1) (8/8 - 8/12)

不毛の地アブダビを後にし、トルコのイスタンブールにやって来た。



アブダビ発イスタンブール行きの飛行機はカタール、サウジアラビア、イラク、
シリアなどの上空を飛行し、トルコに入った。その間ほとんど見下ろす風景は砂漠だった。

満席に程遠いガラガラの飛行機で気持ちよく足を伸ばしながら、眼下の土地を
眺めていると、そこで実際には戦争があったり、大量虐殺が行われていることがにわかに
信じがたい。事実としては分かっていても、あまりに自分の置かれた状況とギャップがありすぎる。



そんなことを考えているうちにシリアとトルコの国境近辺から所々に緑の山が見えはじめ、ひたすら
平らで砂だけだった景色に変化が出始めた。とまた思っているうちにアタチュルク国際空港への降下を
始めた、という機内アナウンスが流れた。

飛行機が一気に高度を下げて、イスタンブール周辺の街並みが見えた時は正直ホッとした。
見馴れた風景だったからだ。海が光り輝き、緑が生い茂り、色とりどりの家が並ぶ地中海らしい
風景は、猛烈な湿気と砂ぼこりで空気が霞み人工的で無機質なビルが並ぶアブダビから来ると
とても人間的で、温かみがある。



地下鉄と路面電車を乗り継ぎ、イスタンブール中心部へ来る最中から既に直観的にこの街が
気に入った。それはホテルに着いてから街を散策し始めてからも再確認できた。
約1600年間、ローマ帝国、東ローマ(ビザンチン)帝国、オスマン帝国と3つの帝国の首都として
君臨してきただけあって、街が長い歴史を背負ってきたオーラがあり、街の隅々まで何か物語を感じる。
それだけに、この街はどこを切り取っても画になる街だ。
人口も1000万人以上を抱え、ヨーロッパ最大の都市だし、なんせ観光資源の宝庫なので観光客が
とにかく多い。今まで行ったことのある街の中でも最も活気溢れる街の1つだ。



ラマダン(トルコ語ではラマザン)であるにも関わらず、出店もレストランも全く関係なく開業している
ところを見ても、公共の場では水すら口にできなかったアブダビとは全く違う。
他にも、人々の服装や態度を見ても、同じイスラムの国とは思えないほど開放的だ。
トルコはソフトイスラムの国、と言われ、アラブ世界と西洋の仲介者、と言われることも
あるそうだが、地理的にも宗教的にも中東とヨーロッパを結ぶ重要かつ戦略的な位置にあり、だからこそ
過去数千年に渡ってあらゆる民俗や帝国がこぞってこの地域を支配しようとしたのがよく分かる。

到着した午後は、エミノニュ(エミネムみたい)と呼ばれる地区とガラタ橋周辺を散策し、早速
名物のサバサンドを食した。名前の通り、焼いた塩鯖を玉ネギとレモンを絞ってバゲットに挟んで食べる
ものだが、ガイドブックには「サバとパン、というミスマッチがクセになる」と書いてあってホントかよ、
と思っていたが、予想以上に美味しくてはまってしまった。



















ガラタ橋のたもとにあるイェニ・ジャーミィと言うモスクにはちょうど礼拝中にお邪魔した。
少しヒンヤリとしたモスクの中で意味不明のアラビア語でコーランの一節を詠みあげられるのを
聞いていると不思議と神聖な気分になった。モスクの内装も非常に細かいデザインが施されていて
美しかった。







この街は猫だらけ。



夕方はスルタンアフメッド広場で夕陽に照らされるブルーモスクを眺めながらのんびり。
何人かアヤシイトルコ人に日本語で話し掛けられたが、適当にあしらった。彼らは大体絨毯屋らしい。
この広場は常に人で溢れ、「芝生に立ち入らないで下さい」なんてケチなこと言わず、みんなマットを
敷いて楽しんでいる。





夜はチキン・シーシュ。美味しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿